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🕵🏻‍♂️ 隻眼の残像 ネタバレあり感想

本日の映画
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SNSでネタバレされる前に観に行きました。ここからはネタバレありで感想書きます。まだ見てない人はブラウザバックしてください。

隻眼の残像 感想

感想を一言で言うとアクション映画としてB級、ミステリーとしては得点なし

まず、皆さんは劇場版コナンをどのジャンルとして見てますでしょうか?私はミステリー映画として2割、アクション映画として8割、時々ラブコメで捉えています。何故なら最終的な問題解決方法が大体フィジカルだからです。それも超人的なやつ。

前作は飛んでる飛行機の上でチャンバラしてましたし、今回は飛んでくるレーザーに対してスノボーがわりにした鉄の塊で反射する。そしてルパン顔負けのおっちゃんの狙撃力で3発の銃弾を全く同じ箇所にぶち当てて解決。とても現実的なじゃないんだけど、アクション映画のエンタメとみたら受け入れられる。そういうことです。

終盤のアクションシーンは味方サイド全員で協力する、カタルシスある連携アクションでした。「ホンマにこんな事出来るのか?」は一旦おいてください。ミッションインポッシブルやジェームズバンドの映画でそんな感想持ちますか?野暮ってやつです。

ただ、今回の雪崩を止めるシーンはちょっとやりすぎでしたね。雪崩が迫ってるのに、酸素ボンベをラグビーボールにしたコンバージョンボールを3回も蹴り上げる。どうしてコナンくんがそんな脚力があるのか、一旦置いて自然に受け入れてる周りも奇妙な一方、結局成功させても「やっぱり間に合わない❗️」「遅すぎたか⁉️」となった流れについては「うん、知ってた」。このラグビーは最終的におっちゃんの株を上げるシーンではあるのですが。

おっちゃんの活躍は最高でした。まさにアクション映画のヒーローのようなビシッと決める感じ。これを見たかった!という要素を詰め込まれてました。眠りの小五郎ではなくちゃんと起きたまま解決するのも良かった。コナンくんの気遣い半分、後述する理由半分だと思いますが。あと高明の厨二キャラっぷりね。

また、今回ラブコメ要素はなかったんですが蘭姉ちゃんの様子がおかしかった。はっちゃけてました。お得意の空手で見せ場をひとつまみするのは恒例ですが、コナンくんの頼みでノリノリで演技して車を刑務所に誘導したり、高明の独り言(中国故事)の解説役になってました。なんでコナン以上に詳しいのか。本当に蘭ネーチャン??ベルモットだったりしない??

さて、コナンの映画は序盤から8割のミステリーパートと途中途中で挟まれる2割のアクションで成り立ってます。つまりミステリーパートの方がツッコミどころ(感想)が出てきます。

昨年、私は数多くのミステリー本を読んできました。どんでん返し系、複雑なトリック系などなど、ミステリーに対する眼が養われてきました。ちょっとのトリックじゃ驚かない厄介ミステリーオタクと化している私がツッコミポイントを書き連ねます。

まず開始5分、小五郎のおっちゃんがかつての相棒鮫谷から電話がかかってきます。そこで鮫谷が小五郎と直近で会う約束するですよね。何気ない旧友との約束をしている会話の中でコナンくんはもう険しい顔をしています。さすがの危機察知能力。米花町の歩く人災発生機。そこまで行ったら病気やん。

ここでミステリーの基本構成要素の説明です。ミステリーはフーダニット、ホワイダニット、ハウダニットの3つがポイントになります。

誰がやったか、どうしてやったか、どのようにやったかです。それぞれ見ていきましょう。

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まず、フーダニット(犯人)。今回主要キャラが多すぎて映画から登場する人物が少ない。多分3人くらいですよね。ミステリーのルールとして、探偵役は犯人にしては行けないというルールがあります。コナン、少年探偵団、長野県系3人、よく出てくる公安など探偵枠が多すぎて犯人候補となる脇役が少なすぎる。3人くらいの候補で話が進むので大体目星がついてしまう。これが残念ポイント。

次にホワイダニット(動機)。銃を置いてる小屋に不法侵入した犯人を見つけたA子は犯人が逃げる際に机の上から落ちた包丁が足に刺さって(犯人が直接刺した訳ではない)バイアスロンの調子が下がり自殺します。

これだけ見て色々Why??ってなりませんか?この亡くなった恋人を巡って真犯人が暴走するんですが、動機に全く共感できず。

また、犯人が勘助を狙う理由も顔を見られたらかもしれない、ということですが、看病中にいくらでも殺せたのでは?(勘助が雪崩に巻き込まれて病院に運ばれた時に熱心に看病したのが真犯人でした)。いずれにせよ原因が軽すぎて犯人側に共感の余地がない。

最後にハウダニット(殺害手段)。改造したハンドガンでライフルを打ち出す事で、凶器をライフル銃と誤認させるというものでした。ハンドガンを使ってるのにライフル銃を探しても犯人は見つからないってこと。

ただ、そもそも日中でバンバン打ちすぎだし、ライフル銃とハンドガンの銃声を小五郎やコナンくんが聞き違うことある???となります。FPSゲームでも銃声で聞き分ける時代ぞ。もっとゲームをやれ!

先日読んだ本、世界一透き通った物語2でミステリーがミステリーたる理由を述べる一文があります。それは説得力のある方法で読者の想像を上回ること、というものです。いくら想像を上回っても説得力がなければ読者は面白いと感じられない。いきなり犯人が超能力持ちだったら未知のウィルスを使ったりしたらびっくりするけど面白くはないですよね。

そういった意味で、今回は私の想像を超える展開はありませんでした。その可能性は既に考えた。なぜなら探偵側の戦力が強すぎて全く危機感なかったからなんですね。勘助も絶対死ぬわけないやろって思ったし、察しのいいキャラが多すぎてコナンくんも麻酔銃使えない感じ。犯人視点の方が絶望感あったかも。

その他、安室さんの声優変わりましたがそこは違和感なく。あと何か読み方浮いている人おるなーと思ったら山田孝之でした。ドラマの演技は上手いのに!声優は俳優と別スキルなんですね。

あと今回予習が結構必要!というツイートがありましたが見なくてもそこそこ楽しめました。物語根幹の理解に影響はないと思います。そもそも巻数多すぎて予習など出来ません。私とは別の角度の厄介オタクによる押し付けなので無視しましょうね〜