言語学の面白さ
ゆる言語学ラジオはご存知でしょうか?
PodcastやYoutubeで放送されている超絶文系の水野さんと超絶理系の堀本さんの軽妙な掛け合いが魅力のラジオ番組です。
その水野さんが書いたこの本を読みました。
水野さん自体は言語学の権威はありませんが言語マニアであり、独学で学んだ内容とプロセスをこの本に詰め込んだという内容です。と入っても言語学の先生に監修してもらってる本なのである程度信頼性があるはずです。
この本のテーマは会話の応対のタイミングについて。
人と会話するときに相手の話を聴いてその応答をしますが、その応答する判断スピードは0.2秒と言われています。その間に何を考え、判断し、発話しているのだろうかということに迫った本です。
0.2秒。この一瞬の時間に考えている内容をネタバレしますと、下記の画像のようになっています。
人間ってすごい!となりますよねw
私が興味深かった点は「意味の理解」についてです。例で出されているのは「猫」という言葉の意味を他人に説明できるか?ということ。哺乳類とか4足歩行とかある程度の単語を並べることはできますが、誰もが同じ猫イメージにたどり着くような説明は実はできないということです。(長毛短毛、体の模様や色などなど)
また、古文や英語で文法の授業でも感じた方が多いと思いますが、「てにをは」の助詞の意味を正しく理解するのも時間がかかります。そうした意味を0.2秒間である程度曖昧に理解しても会話が成り立ってしまう感覚を誰もが持っているということに驚きました。
感覚を言語化するのは非常に難しくて、感覚的には簡単なことを世界中の天才がウンウン唸りながら定義づけしているという言語学の世界の面白さを感じることができました。また、英語のような語学学習も、一つ一つの言葉の意味よりも感覚を身につけることが大切なんだろうなぁと思いました。単語1つの意味を思い出すのに10秒かかったら会話になりませんからね。
言語学の基礎中の基礎となる理論にも触れられますので興味ある人はぜひ読んでみてください。
ほなまた!