スーパーパワハラ先生
ラ・ラ・ランドをご存知だろうか。アカデミー賞の作品賞候補になったミュージカルである。コレを見たとき正直あまり面白さを感じることができなかった。友達といっしょに見たが、だれもが同じ感想だった。「よくわからない。」と。
この作品を作ったディミアン・チャゼルがラ・ラ・ランドの2年前に作った作品がこのセッションである。これは超厳しい天才教師のフレッチャーと才能豊かなドラマーであるニーマンとのバトル映画といっていい。
もうこのポスターがすべてを物語っている。主人公ニーマンに対してフレッチャーがひたすら罵詈雑言を投げていくシーンが続く。罵詈雑言の豊富さに驚くことだろう。
あと口だけじゃなくて普通に手も出す。リズム感が合わないと「ワンツースリーフォー」のフォーでビンタが飛んでくる。体でリズムを覚え込ませる方式だ。また、納得がいくリズムになるまで何度でもやり直させる。途中椅子を投げたり、ドラムをぶっ壊したりと破壊の権化になりながら。
ニーマンも天才の卵であり、上手くなるための狂気を持つドラマーである。この2人の狂気が最後の9分超のライブバトルにつながる。この最後のシーンのためだけに今までのシーンがあったと言っても過言ではない。それほどのインパクトが有る。
印象的だったのが、最初はバトルしている風の2人が終盤から共感するようになっていく様だ。天才同士でしかわかり合えない領域に達した名シーンであろう。終わり方も潔くていい。
全体的な評価も高いが、最後のシーンは生涯忘れられないものである。敵役が素晴らしい映画は名作になる理論、ここでも証明できる。
ほなまた!